自転車の盗難防止に役立つキーロックの選び方!
2018/09/18
近年東京や大阪のような大都市では、自転車による移動が増えています。
都心部は自動車の交通量が多く、駐車場を探すのもひと苦労。
また都会は駐車場の家賃が高く、ガソリン代、税金、保険料などを考えると、特に若い人を中心に、自動車を持たずに自転車で移動するケースが増えているからです。
そんな流れを受けて、最近では高級な自転車も増えていますが、そうなると気になるのが「自転車の盗難」です。
そこで今回は、自転車の盗難防止に繋がるキーロックの選び方や、盗難防止に繋がる停め方などを考えていきましょう。
高級自転車の盗難被害が多発
街に高級自転車が増えると、同時に増えるのが「窃盗犯」です。
高級自転車は市場価値が高く、また足がつきにくいということで、窃盗犯たちからは標的にされやすいので注意が必要です。
高級自転車を窃盗する犯人は、盗んだ自転車をそのまま転売するような真似はしません。
盗んだ自転車をパーツごとにバラし、パーツごとにネットなどで転売するので、足がつきにくいわけです。
そんな窃盗犯が取る方法は、まずはカギを破壊して乗り去るという方法。
さらに大がかりな窃盗犯となると、軽トラックなどで乗り付けて、自転車を荷台に乗せて盗むなんて行為もあるようです。
そんな窃盗犯に大切な自転車を盗まれないためにも、必要な対策を講じることが重要になってきます。
100円ショップのキーロックで安心しない
自転車に取り付けるキーロックとして、真っ先に思いつくのがワイヤーなどで切断がしにくくなっている「ワイヤー錠」でしょう。
最近では100円ショップなどでも購入できるため、多くの自転車が利用しているタイプです。
確かに自宅にあるようなペンチでは、このワイヤー錠は切断できません。
一見非常に有効なロックにも思えますが、これだけでは窃盗に備えるには不十分と言っていいでしょう。
ペンチよりも専門的な工具になりますが、「ボルトクリッパー」という工具を使用すれば、この手のワイヤー錠を切断するのはさほど難しくありません。
しかもこのボルトクリッパー、安いもので2,000円、高い物でも10,000円ほどで購入でき、しかもトートバッグにも収まる程度の大きさです。
ワイヤー錠の選び方としては、ワイヤーの強度にこだわるのではなく、「ワイヤー錠は予備のロック」と割り切って購入するのがオススメ。
つまり大事な自転車を守ろうと思ったら、カギは一つではなく二つ以上、しかもタイプの違うものを利用すると効果的です。
「ワイヤー錠をカットして盗もうとしたら、別のキーロックがかかっていた。
そのロックを切断する道具は持っていないし、時間もかかるから諦めよう」
窃盗犯にこう思わせたら、盗難防止策としては上出来といえるでしょう。
盗難防止に有効なキーロックの種類
キーロックの種類ですが、大まかに分けると4種類に分類することができます。
- 箱錠
- リング錠
- ワイヤー錠
- U字ロック
その他のキーロックの種類は下記のサイトが参考になります。
自転車の鍵の種類 警視庁HP
また、この4種類の中でも、いくつかの種類に分けることが出来ます。
自転車のキーロックにはワイヤー錠以外にもいくつかのタイプがあります。
タイプ別の特徴をチェックしておきましょう。
まず「リング錠」。
いわゆるシティバイクや、一部ママチャリと呼ばれるような自転車にも採用されている、サドルの後方、後輪の部分に取り付けられているタイプで、カギを指して開錠するタイプのロックのことです。
自転車に直接取り付ける上、全体が鉄でできているロックですから、相当な強度を誇ります。
盗難防止にも十分なキーロックに見えますが、ひとつ非常に重要な弱点があります。
それは「ピッキングがしやすいこと」です。
一般的なリング錠のカギは、さほど複雑な構造をしていません。
シリンダー錠のようなカギを使うものはほぼ存在せず、通常の自宅玄関に使用されている鍵穴に比べても、その構造は非常に単純です。
慣れている窃盗犯であれば、それこそヘアピンひとつで開けられるのがリング錠の弱点。単独では盗難防止効果はほぼないと考えていいでしょう。
続いては「U字ロック」です。
U字ロックは金属製でU字になっているキーロックです。
切断もされにくく、信頼度の高いキーロックといえます。
弱点は形が一定で設置できる箇所が限定されることや、キーロック自体が大きく重いため、携行にあまり向いていないということ。
さらに鍵の部分が単純な構造のモデルの場合、リング錠同様ピッキングの恐れがあることでしょう。
さらにこのU字ロックに近い特徴を持つのが「多関節ロック」です。
これは複数の金属の板をつなぎ合わせたチェーンロックのような鍵で、やはり切断されにくいという特徴があります。
U字ロックとの違いは形がフレキシブルに変化しますので、様々な状況でロックに利用できるということ。ただし一般的にU字ロックよりは高額になりますのでご注意ください。
盗難防止のためにキーロックは複数用意
盗難防止という点を第一に考えるのであれば、やはり複数のキーロックを利用することがオススメとなります。
複数のキーロックを行う場合のロックの選び方を考えておきましょう。
まずもともとリング型のロックが標準装備されている自転車の場合、注意したいのはピッキングの被害です。
そこで併用するキーロックは、ピッキングでは開けられないキーロックを選びましょう。
そうなるとダイヤル方式のワイヤー型や、ディンプルキー、ウェーブキーを採用しているU字ロックや多関節ロックを併用するのが良いでしょう。
現在ダイヤル式のワイヤー錠を1つだけ利用している場合、注意したいのは切断による盗難です。
キーロックを切断して盗難しようとしている窃盗犯から自転車を守るには、ワイヤーカッターやボルトクリッパーでは開けられないキーロックを併用することです。
U字ロックや多関節ロックでもいいですが、取り付けが可能であればリング錠がいいでしょう。
タイプが違うロックが2つ点いていることで、盗難するには時間がかかることになり、盗難防止に繋がりますので、工夫して設置するようにしましょう。
「地球ロック」は盗難防止の効果は高いものの…
最初に触れた中で、本気の窃盗犯はトラックなどでカギがかかった自転車をそのまま持って行くこともあるという話に触れました。
この場合いくらタイプの違うキーロックを複数利用していても意味はありません。
そんな盗難を防ぐにはどうすればいいでしょう?
ここで効力を発揮するのが「地球ロック」です。
大げさな名前ですが、要するにガードレールやフェンス、柵など、その場に設置されている建造物と自転車をキーロックでつなぐ方法を地球ロックと言います。
地球ロックを行うことで、自転車をロックがかかったまま持って行く窃盗犯の手口を無力化することができます。
ただし注意点としては、地球ロックで頼りにするガードレールやフェンス、電柱などはあなたの所有物ではないということ。
厳密に言えば、公共の施設に自転車を繋ぎとめることは違法行為となる可能性があります。
もちろん他の誰かの所有物(家の塀や周囲を囲っている柵など)に繋ぐのも違法行為と言うことになります。
もちろんこういった行為で訴えられることは稀ですが、あまり目に余る場合は通報される可能性もあります。
また、ガードレールがあるからと歩道に停車した場合違法駐輪になる可能性もあります。
地球ロックをする場合は周辺の状況をよく確認したうえで、他の人に迷惑をかけていないかをよく考えて利用する必要があります。
自転車の盗難防止にはキーロックの選び方と、その利用方法が最大のポイントとなりますので、状況を考えつつしっかりと準備しましょう。
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