探偵の調査依頼で近年増えているのが「嫌がらせ調査」。この嫌がらせ調査とはそもそもどんな調査なのでしょうか? 嫌がらせ被害の内容や、そんな嫌がらせ被害のために探偵に調査を依頼する理由、そして探偵にできることなどを調査してみました。
一言に「嫌がらせ被害」と言っても、被害の現場や内容は多岐にわたります。
これは誰に嫌がらせを受けているかによって大きく変わってきますので、どんな嫌がらせ被害を受けているかで、ある程度犯人の目星がつくこともあるでしょう。
まず考えられるのが「自宅周辺での嫌がらせ被害」です。
具体的にどのような被害があるかというとまずは騒音です。
騒音と言っても、子供の泣き声やピアノの練習の音など、迷惑をかけることを意図しないで出てしまう騒音ではなく、明らかに迷惑をかける意図を持って流される騒音が「嫌がらせ」ということになります。
わざと深夜に大音量で音楽をかけたり、隣人が一晩中壁を叩き続ける、毎日にようにドアホンを鳴らされるなどといった被害も騒音被害に含まれるでしょう。
騒音以外にも、「駐車場での被害」もあります。
車に傷をつけられる、汚されるといった直接的な被害から、あなたの車が出しにくくなるように物を設置したり車を停めたりという嫌がらせ被害もあります。
ひどい話になると、車の上や周辺に動物の死骸を置くような悪質な嫌がらせ被害もあるようです。
こういった自宅周辺の嫌がらせ被害の犯人は、「近隣トラブル」や「ストーカー」などが中心になります。
あなたの住所を知っている者にしかできない犯行ですので、それだけでも十分犯人は絞り込めるのではないでしょうか?
嫌がらせ被害を受ける場所が、自宅以外の場合も当然あります。
一番多いのは「勤務先」。勤務先にあなたを誹謗中傷するようなビラを撒かれたり、あなたの会社に嫌がらせの電話や、嫌がらせの品物が届くなどが、嫌がらせの中心となります。
会社での被害の場合、自宅で受ける被害とは違い、「あなたの周りに何らかの問題が起きている」ということが同僚や上司に知られてしまうという問題点があります。
あなたが事情を説明して、「これは嫌がらせ被害である」ということを周囲の人が認識してくれれば問題ありませんが、これは極めてレアなケースでしょう。
多くの場合は、「あんなことをされる人自身にも、何かしら問題があるのでは?」と思われてしまいます。
思われるだけであればまだマシですが、最悪の場合退職を勧められたり、左遷をされたりなどということも考えられるでしょう。
こういった勤務先での嫌がらせ被害の犯人は、やはり仕事関係者である可能性が高く、また恋愛関係のもつれである可能性も考えられます。
周囲の人に知られるということで、ある意味自宅での被害よりも実害が大きくなる可能性がありますので、早急に対処する必要があります。
近年急増中で、しかも犯人の特定が非常に難しいのが「ネット上での被害」です。
匿名で投稿できる場の多いインターネット上で、あなたの個人情報を公開したり、写真を勝手にアップしたり、自宅や職場を盗み撮りした画像・映像、盗聴した音声などを流されるというのもやはり嫌がらせ被害と言うことになるでしょう。
こうしたネット上の被害は、取り締まりが難しく、裁く法の整備も進んでいないのが現状ですので、対応に関しては慎重に行うのがいいでしょう。
こういった嫌がらせ被害に悩んでいる方は、探偵に相談してみてはいかがでしょうか?
多くの探偵事務所では、こうした嫌がらせ被害の調査も行っています。
嫌がらせを行う犯人は、基本的に嫌がらせをする対象者にバレないように嫌がらせを仕掛けてきます。
そんな犯行を抑える証拠さえ手にすれば、弁護士に相談するのはもちろん、警察に相談することもできるようになります。
そんなことをしなくても警察に相談すれば…。
とも思いたくなりますが、警察は証拠がないと動いてくれないものです。
もちろん車に傷をつけられたり、家の壁にペンキを塗られたりというのは被害の実害がありますから、警察も現場検証には来てくれます。
しかし、それ以上真剣に犯人を見つける、捕まえる捜査をするかというとまずしてはくれません。
良くて家の周辺を見回りコースに組み込んでくれる程度でしょう。
そこで、警察が動いてくれるように、証拠を押さえることが重要となります。
誰がいつその嫌がらせ行為を行ったかを証明できれば、警察も嫌がらせ行為を行った人間に対し捜査をしてくれます。
その嫌がらせ行為に至る行動に、明らかな刑法違反があり、あなたが被害届を提出するとなれば警察は真剣に捜査せざるを得ません。
ただし、探偵に過度の期待をしてはいけません。もちろん嫌がらせ行為を行っている人物を特定する、嫌がらせ行為をしている現場の証拠を押さえることに関しては期待してもいいです。
しかし、探偵ができるのはここまで。
嫌がらせをした人間を捕まえたり、嫌がらせ行為を止めさせたりする力は探偵にはありません。
嫌がらせ行為をした人間を捕まえるのは警察の役目になります。
嫌がらせ行為自体が刑法に抵触していなくても、例えば車に傷をつければ器物破損罪ですし、嫌がらせ行為のために敷地に侵入すれば不法侵入です。
こういった罪で警察は嫌がらせ行為を行った人間を確保することができます。
そこで探偵に調査を依頼し、誰がいつ、どのような刑法に触れる行為をしたかという証拠を入手してもらいましょう。
嫌がらせをしている人間に、その行為を止めさせるには、弁護士に相談するのも有効な手段です。
弁護士を代理人として、こういった嫌がらせ行為を今後も続けるようであれば、警察に通報するとともに、訴訟の準備があるといったことを伝え、相手が嫌がらせ行為をすることを止めさせることもできます。
警察に相談するにも、弁護士に相談するにも、重要なことは誰が、いつ行った行為であるという証拠を入手することです。
そのために探偵を利用するのは、十分意味のある行為といえるでしょう。
嫌がらせ被害とは、基本的に周囲の人には伝わりにくいものです。
また、ストーカーや恋愛関係のもつれなどの場合、周囲に相談しにくいこともあるかもしれません。
しかし被害者側が何かしらの対応をしないと、嫌がらせ被害は終わりません。
とはいえ、何の証拠もなく捜査機関や弁護士に相談しても、相談された側としても対応が難しいとなってしまいます。
嫌がらせ被害に悩んでいるのであれば、まずはその証拠をつかむことを考えましょう。
誰が、いつ、どのようにして嫌がらせを行っているか。まずはその実態を把握することが重要です。
その上で、住居侵入や器物破損など明らかな刑法違反があれば警察に相談しましょう。
反対にどうみても刑法に抵触していないような被害の場合、警察は積極的に動くことはできません。
「民事不介入」という大原則があるからです。
こういった場合は、嫌がらせのトラブルに強い弁護士に相談してみてください。
刑法で裁けなくとも、民法で裁ける可能性があります。
嫌がらせ被害に関して、探偵に調査を依頼することは問題解決の第一歩となります。
被害で悩むくらいなら一度探偵事務所で相談されることをオススメします。