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探偵業法はどんな法律なのかを解説!違反したら逮捕されるのか?
2022/08/05

探偵になりたい、探偵事務所を開きたい、という方は、探偵業法について知っておく必要があります。
探偵事務所は基本的には申請をしておけば誰にでも開くことはできます

ですが、運営していくにあたっては、禁じられている事項や、法律の範囲内の調査の方法などを知っておく必要があるのです。

法律に抵触せず、健全に探偵事務所を運営していくためには、探偵業法の知識が必須です

今回は、探偵業にこれから携わるという方向けに、探偵業法の基礎知識について解説していきます。

探偵業法とは?

探偵業法とは、探偵業の適正化、個々人の権利や利益を保護することを目的とした法律です。

この法律は、政務調査会内閣部会、組織本部生活安全関係団体委員会合同、調査業に関するワーキングチームによる議員立法により成立しました。

2006年に衆議院にて可決された後、参議院でも可決され、2007年に施行された比較的新しい法律でもあります。


探偵業法で、探偵が開業時に義務付けられていることとは?

探偵業法では、開業時に届出を出すことが義務付けられています。

具体的には、探偵業法の2条と4条に、「他人の依頼を受けて、人の所在又は行動について、面接による聞き込み、尾行、張り込み」などに類する業務を行う際は、原則として探偵業者としての届出を要する、と定められています。

これだけみると、「あれ? 新聞記者さんとかは、聞き込みなどをしているよね?
それって届け出を出さないでも大丈夫なの?」と思われるかもしれません。

実はこの法律には適用除外となる業種があり、それが、新聞社や通信社などの報道機関なのです。
報道のために聞き込みなど探偵と同様の業務を行う場合には、探偵業法に基づいた届出は必要ない、と定められているのです。


探偵業法で、依頼者と契約するときに義務付けられていることとは?

探偵業法では、どんな依頼であっても受けていい、とは定められていません。

6条では、「この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない」と定められており、9条では、「調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない」と規定されています。

つまり、犯罪や差別を助長するような依頼はいくら探偵であっても受けることは法律違反だ、ということです。たとえば、探偵の仕事のひとつに、結婚前調査があります。

結婚前調査とは、結婚するまえに相手の素性について細かく調べるというものです。

出身や家族構成、婚姻歴、学歴、職歴などを調べるこの調査ですが、調べられない項目も存在します。

それは、部落出身であるか、などの調査です。

こういったことを告げてしまっては、差別を助長することになりかねません。
ですから、たとえ調査のなかで部落出身である、などの事実を偶然知ってしまったとしても、それを依頼者に伝えることは禁じられているのです。

また、探偵の仕事のひとつに、人探し調査があります。
探偵は依頼者がどういった目的で人探しをしているのか、を確認します。
たとえば、ふられて、その彼女が忘れられずに探している、とします。

その場合、探偵は慎重になります。多くの場合は断られるでしょう。

なぜなら、ストーカーの手助けをしてしまう可能性があるからです
そういった犯罪を助長するような調査を探偵は受けてはならないと法律によって定められているので、依頼者を吟味することもまた、探偵の大切な仕事のひとつなのです。

また、依頼者と契約にあたり、いくつかの書類の授受を義務付けられています。

それは、

  • 重要事項説明書
  • 「調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない旨を示す書面」
    -(誓約書、調査利用目的確認書などの呼び方がされる)
  • 契約書

重要事項説明書は、8条1項に規定されている書面で、業者についての解説、個人情報の取扱、探偵業務の委託、支払い金額の概算についてなど、計9つの項目が定められています。

この書面は、契約を行う前に必ず探偵業者から依頼者に交付し、内容を説明することが義務付けられています。

「調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない旨を示す書面」は、7条で定められているもので、調査結果を「依頼者が」犯罪行為、差別目的、その他違法な行為に用いないということを誓ってもらう書面です。


誓約書、調査利用目的確認書など、業者により様々な名称で呼ばれます

最後に契約書ですが、こちらは契約を締結したときに探偵業者から依頼者に交付、説明することが義務付けられているものです。

重要事項説明書と内容は似ていますが、説明書ではなく確定した契約を記すものとなっています。


そのため、契約に記載される必要のない個人情報関連の項目が省かれていたり、概算だった支払い金額が確定した金額となっていたりします。

契約書に記載が義務付けられる項目は、8条2項に計8つ定められています。

探偵業法に違反したらどうなるの?


ここまでで探偵業法によってどのようなことが認められていて、どのようなことが義務付けられ、禁じられているのか、をみてきました。

気になるのは探偵業法に違反した場合、どうなるのか、という点でしょう。
たとえば、探偵業法に反して、届け出を行わないままで探偵業務を行なっていたとします。
それが発覚した場合には、無届営業者として逮捕されてしまいます


実際、探偵業法の施行後に逮捕者も出ており、罰則も規定されています。

また、届出済みの業者が調査中に探偵業法以外の法令に触れるような調査を行ったり、探偵業法に義務付けられた事項を遵守していなかった場合に、行政処分が下されることになります。

その処分の度合いは実際に犯した違反により様々ですが、必要な措置を取るべきことを命ずる指示、期間を定めての営業停止処分、廃業処分のいずれかが下されます。

行政処分が下されたことは警察のHPで公表されるため、法律に違反した探偵事務所だということが公に知られてしまうことになります。

逆に、消費者側の立場からすると、そういった探偵事務所は選びたくないですから、探偵事務所を選ぶさいに、行政処分を受けた過去がないかをネットで確認してから選べるというメリットがでてきます。

さいごに。探偵業法の基礎知識を学ぼう

今回は、探偵業法の基礎知識を簡単にご説明してきました。

これから探偵になりたい、探偵事務所を独立開業したい、という方は、探偵業法について学び、法律を犯さない範囲で業務を行うべきでしょう。大切なのは、知識をつけることです。


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