そもそも盗聴行為は、他人のプライバシーを侵す行為。盗聴していることがばれてしまえば、当然のことながら非難をあびるであろうことも予想されます。しかし、日本の法律では、盗聴器を販売・購入することや盗聴行為を規制するものはありません。
もしも、盗聴の被害にあってしまった時、どんな法律で盗聴犯を罰することができるのか?盗聴にかかわる行為がどのような法律に触れ、違法になるのかを紹介します。無許可で他人の住居や敷地に侵入することは、住居侵入罪(刑法第130条)に抵触します。
違反すると、3年以下の懲役、または10万円以下の罰金に処せられます。
この法律は、未遂であっても処罰対象となります。
たとえば盗聴器を仕掛けるために物に穴を開けた、板をはずしたりして傷つけたというような場合、器物損壊罪(刑法第261条)に抵触します。
違反した場合、3年以下の懲役、または30万円以下の罰金もしくは科料に処せられます。
固定電話に盗聴器を仕掛け、その内容を傍受する行為は、「有線電気通信の秘密を侵してはならない」とする有線電気通信法第9条・第14条に抵触します。
違反が成立した場合は、2年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
盗聴器がよく仕掛けられる場所の1つとしてコンセントの裏が挙げられますが、無資格でコンセントの配線接続など電線を触る行為は電気工事士法(第3条2項)に違反します。
盗聴器を電気配線につながるコンセント裏に仕掛ける行為も、「無資格での電気工事」と見なされる可能性があります。
違反が成立した場合は、3ヶ月以下の懲役、または3万円以下の罰金は科されます。
盗聴自体を罪に問う法律はないものの、盗聴した内容をもとに相手を脅したり、強要するような行為を行った場合、その内容によって脅迫罪(刑法第222条)、強要罪(刑法第223条)、恐喝罪(刑法第249条)に抵触する可能性があります。
違反した場合、それぞれ、
に処せられます。
盗聴で得た情報を使って他人を誹謗中傷すると、名誉毀損罪(刑法230条1項)に違反する可能性があります。
違反が成立すると、3年以下の懲役または禁錮、もしくは50万円以下の罰金が科せられます。
盗聴で得た情報をもとに待ち伏せなどつきまとい行為を行った場合、ストーカー規制法に違反する可能性があります。
ストーカー規制法に違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。
ただし、事前に禁止命令を受けていた場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金になります。
盗聴行為自体が犯罪にならないとしても、盗聴をするためにおこなった行為や、盗聴で知りえた情報をもとにおこなう行為によって、違法性が生まれることが多いのが盗聴です。
実際、盗聴に付随する行為で検挙された事件もそれなりに存在するため、安易に「盗聴は犯罪じゃない・違法性はない」と考えて盗聴に興味を持つことは避けたほうがいいといえるでしょう。